王様の庭

035_ただいま(Side K)

Gilry&Antique ‰Ô‚ÆŽG‰Ý‚Ì‘fÞW

柔らかな響き

彼女の「ただいま」の声を聞いた時に涙が地面に滴り落ちたんだ……
「おかえり」と返事を返しながら……

 

旅行の移動中から彼女からLINEが届き、俺は返さないと決めていたのだけれど。
やっぱり嬉しいし、彼女の体調や待遇も気になって……返してしまっていた。

案の定、体調は優れないらしい…。
まして後からは不正出血と分かったが、当時は生理なのか不正なのかすら分からなかったし。

同時に使うことを求める主ならば、使えない方はそれほど重要ではないので、嫌な思いをしてなければいいなとか。
また多少の出血なら構わないと言う男もいる。
俺も彼女の体調が悪くなければ問題のないタイプだ。
だから、「その辺り」の心配もなかったわけではない。

まあ、彼女は彼にやはり若干きつく当たられる場面もあったらしいが……
俺が思っていたよりは大丈夫だったらしいのでその辺は安心した。

 

ただ、やはり、当然の感情として、俺が彼に対して良い感情を持てるわけがないのだ。

多頭飼いだった俺が他人を批判できる筋合いではないが、俺は俺に尽くしてくれる人の「個」の部分を大切にしてきた。
だから貸し出しや同時に並べて使うといった個の部分を踏みにじる行為を好む主は、俺は受け付ける事は出来ない。

また自分の会社に自分の奴隷さんが複数いる環境。
自分としては目の届く範囲で守っているつもりなのだろう。
でも、奴隷同士はどう考えるのだろう。
どうしても反りが合わない奴隷同士もいるだろう。

彼女は俺に言ったことがある。
「私はもう一人の奴隷さんが嫌いなのです。どうしても、好きになれないのです」と。
その奴隷さんは彼女の部下になる。
嫌でも面倒見なければならない。
その彼女の気持ちをどう考えているのだろう?

……

勿論、その中には俺の彼に対する嫉妬が入ってることは間違いない。
俺は月に1度程度しか会うことが出来ないのに対し、仕事とは言え、彼は毎日長時間一緒に居る事ができる。
また、メール一つで彼女を従わせることが出来るだろう。
俺が彼女に、「週末俺のところに来い」とLINEをしても彼女は来れないだろう(苦笑
当然、距離の壁も大きい。
これが近くに住んでいるなら若干マシだったのだろうが。

後日談として彼女に話したが、今回の旅行が彼女と二人っきりの旅行だったら俺は身を引いていた。
彼が彼女だけを見て、彼女だけを幸せにする覚悟があったなら……
俺は黙って静かに消えていただろう。

彼女は「2人だけはありえませんよ」と言っていたが、もう一人の奴隷さんとの関係が分からない以上、その心配は俺には常にあった。

彼がどちらかを選べないと言うのであれば、俺はなんの遠慮もせずに彼女を奪う。
本気で彼女を幸せにする覚悟で、俺は2人の奴隷を開放した。
勿論、その2人には「夫」と言う帰る場所があったからだが。

彼女には伝わっている。
俺が本気で幸せにしたいと言う気持ち。それは確認済みではある。

だから、俺は彼女を幸せにしたいし、絶対幸せになって欲しいとおもう。

彼女と出会ったあの箱庭は運命だったと、今でも思っているから。

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